美容師から見た「上手い美容師」とは？

Ｑ＆Ａサイトなどで「上手い美容師の探し方を教えてください」という質問に対して、美容師の回答は様々です。

①技術はあって当たり前？
②カウンセリングをしっかりしてくれる美容師が上手い？
③カットで梳きばさみを使わない美容師が上手い？
④コンクールで優勝した美容師が上手い？
⑤おじさん美容師が上手い？
⑥指名が多い美容師が上手い？

このように実に様々な意見が飛び交っていますので、実際のところ上手い美容師というのは美容師の中でも定義が定まっていないのが現状でしょう。

しかし私なりには答えは出ていますので、上記６つの回答を参考にしながら説明していきます。

①技術はあって当たり前

回答している美容師の多くは技術はあって当たり前と言っていますが、私から言わせると、その技術力がない美容師が多いから多くのお客様は不満を抱いていると考えています。

特に、画像を持っていったのに全然違うスタイルにされてしまったという意見が多いのですが、画像のスタイルを再現するには絵心や写生のスキルが必須です。
詳しくはコチラ⇒上手い美容師の見つけ方

この意見に対しては賛否両論あると思いますが、反対意見を言う方は絵心もなく写生のスキルも無い方でしょう。

練習すればどちらのスキルも身に付きますので、まずは身に付けてから反論して下さい。

これらのスキルがあれば、画像と同じスタイルを作るのは本当に簡単な事だと実感できるはずですので。

技術というのは他にも色々ありますが、技術におぼれた美容師ほどこちらの勘違い美容師のような末路を辿ります。

ここで結論に近い意見を言ってしまいますが、結局お客様を掴む事が出来ない美容師（指名数の少ない美容師）は下手くそです。

いくら自分で技術が上手と思っていても、その技術はお客様にとっては上手ではないと判断される事が多いので指名が少ないのです。

お客様が満足しなければ再来してくれないのですから、指名数ほど上手い美容師を測れる指標はありません。

②カウンセリングをしっかりしてくれる美容師が上手い？

では次に「カウンセリングをしっかりしてくれる美容師が上手い」という回答についてですが、確かにカウンセリングは大事であり、美容師の中にはとにかくお客様全員にプロとしてのアドバイスをすべきだと考えている人も入るようですが、私は違うと思います。

お客様には色々なタイプの方がおります。

余計なアドバイスはしないで持参した画像の通りのスタイルに仕上げて欲しい方もいれば、会話をしたくない方もいますし、勿論アドバイスを求めている方もいますので、そのお客様のタイプを見抜き、カウンセリングが必要ないと判断したのなら最低限のカウンセリングにするなど、的確な対応をするのが本当のカウンセリングだと考えます。

③カットで梳きばさみを使わない美容師が上手い？

たまに「カットで梳きばさみを使わない美容師が上手い」という主張をする美容師もいますが、これは完全に思い込みです。

梳きばさみでしか出せない質感がありますし、それを求めるお客様も存在しますので反論は受け付けません。

 

④コンクールで優勝した美容師が上手い？

コンクールで優勝するためには相当な練習が必要ですので、優勝した美容師さんは素晴らしいと思いますが、それだけではダメです。

お客様の要求を満たすためには、先程あげた大きな視点でのカウンセリングが必須なので、残念ながらコンクールでの優勝は、サロンベースで考えると「上手い美容師」と決めるのは説得力に欠けます。

⑤おじさん美容師が上手い？

たまにこの意見を見かけますが、確かに経験というのは大きな武器だとは思います。

しかし、その経験が頭を固くしてしまう事も多々ありますので、おじさん=上手い美容師というのは無理があります。

⑥指名が多い美容師が上手い

結局はこの「指名が多い美容師が上手い」あるいは「再来率が高い」美容師が上手いと言えると思います。

カウンセリングが上手くても、コンクールで優勝したとしても、経験を積んだおじさんだったとしても、結局指名数や再来率が少ないという事はお客様に指示されていないという事です。

まあ例外として、誰が見ても技術力がなくても「人柄」や「面白いトーク」だけで指名数や再来率が高い美容師も結構存在します。

ですがそれは、お客様が満足して再びその美容師にお願いしたいと思っているのだから、まわりがとやかく言う必要はないでしょう。

ですので、今回のテーマは美容師目線でみた「上手い美容師」という事でしたが、結局それはお客様が決めるべき事であり、それ以外の意見は美容師の勝手な思い込みや勘違いであるという事です。