美容室で「髪を梳いて軽くしたい」とオーダーしたら「梳かない方がいいですよ」と言われたことはないですか?
プロがそう言うのなら…と無理に納得しようとしているのなら、そんな必要はありません。
当たり前過ぎる事なのですが、梳くメリット・デメリットがあるように、梳かないメリット・デメリットがあります。
ですので、その日あなたが希望するオーダーに沿って梳くか梳かないのかを決めればよいだけなのに、何故か頑なに梳くことを拒む美容師がいます。
勿論、ただ梳けば良いなんてことはありませんが、ハナから梳く事を全否定している美容師がいたなら、それは偏ったこだわりを持っているか、あるいは梳くのが苦手なのでしょう。
「梳くと短い毛が出てしまう」とか「梳くとかえってボリュームが出てしまう」とか色々な言い分があるようですが、ある方法で解決するケースも多々あるのに、全てのお客様を梳かないなんて、私からするとお客様が損しているとしか言いようがありません。※ある方法については後述します。
当然こだわっている美容師は自分の考え方が正しいと思っているのでしょうが、そのこだわりのせいで、いかにお客様が損をしてしまっているのかを今から説明させていただきます。
目次
まずは基本的なおはなしから
そもそもですが、あなたの毛量は決まっていますよね。
梳いたらダメと言っている美容師は、あなたの毛量で可能なスタイルしか出来ないということであり、その数はあまりにも限られてしまいます。
例えば、あなたがスタイルブックを見ていたとすると、あなたと同じ毛量のモデルさんのスタイルしか出来ないという事になってしまいます。
人の髪の毛は大体10万本と言われていますが、それはあくまで平均なので、当然バラツキがあります。
毛量だけでなく髪の太さや固さにも違いがありますので、あなたと同じ毛量や髪質のモデルさんを探し当てるのは至難のワザです。
また、時代によって傾向や比率は違いますが、スタイルブックにのっているヘアスタイルには梳いているスタイルが多く含まれています。
なのであなたがスタイルブックから選んだスタイルが梳いてあるスタイルならば、その時点で諦めなければいけないという事になってしまいます。
「梳かなくてもお客様を満足させてるぞ!」と豪語している美容師がいるようですが、そういう美容師に限ってYoutubeやインスタ等のSNSで必死に集客しています。
SNS等で集客しなければいけないという事は、来店したお客様が満足しなかったという紛れもない証拠です。何故なら、一度来店したお客様を満足させる事が出来るのであれば、お客様は再びその美容室を訪れるので、とっくに繁盛しているはずだからです。必死に宣伝&集客しているという事は、それが出来ていないという事です。
ちなみに私は、梳くスタイルも梳かないスタイルも熟知しており、お客様と相談しながら両方施術していますが、流行も大きく影響するものの、比率は大体半々といった所です。
つまり、ウチのお客様は梳くスタイルも梳かないスタイルも両方楽しんでいるのです。
私にとっては当たりまえだと思っていたのですが、一方的な決めつけで梳くスタイルをお客様から奪っている美容師がいるのは本当に残念ですね。
早くも結論になってしまいますが、梳いた方が良いとか梳かない方が良いというのは美容師が一方的に決めることではなく、お客様と相談して決めればよいという事ですね。
★ここからは、梳いたらダメと豪語している割にYoutubeやインスタなどのSNSで集客しているという矛盾した美容師をテーマにした内容になります。
梳いたらダメという美容師のよくあるパターン
梳かない代わりにレイヤー(たくさんの段差)を入れる事をすすめる美容師もいるみたいですが、それはもう別のスタイルになってしまいますね。
その日はレイヤーを入れる事に納得したお客様も、後からやっぱり納得いかない!と思っている方が結構いらっしゃる事を私は知っています。
何故なら、そのお直しの為にウチに来店するからです。
勿論、逆パターンも考えられますが、私は極力この問題を避けるためにカウンセリングを重要視しています。(これについては後程解説します)
あと、梳かない代わりにアイロンやコテ、整髪料やヘアピン等でボリュームを抑える事をすすめる美容師もいるようですが、だったら梳いた髪をそれらで抑えてもいいよねって話です。
あと、アレンジしたら短い毛が出るから梳かない方がよいという意見もありますが、アレンジしない人はどうなの?と聞いてみたいですし、そもそも梳かなくて重いからアレンジしなきゃ落ち着かないのでしょと突っ込みたくなります。
とまあ色々な例を挙げましたが、結局のところ話し合いで梳くか梳かないかを決めればよいのであって、「梳くのはダメ」と美容師が一方的にこだわりを押し付けるのはどうなの?って話です。
※こだわりは大事といっている美容師もいるようですが、それはやりようによってはお客様に大迷惑をかけているという話を後日パート2としてお話ししていきますね。
毛量調節や質感調節を行えば可能性はグンと広がります。
お客様がスタイルブックで選んだスタイルを実現するには、毛量や質感を調節しなければならない事が結構あります。
逆の言い方をすれば、毛量や質感を調節する技術があれば、あなたが出来るヘアスタイルの幅はグンと広がるという事です。
梳いたらダメという美容師の言い訳
ところで、梳いたらダメという美容師が口癖のように言う言葉があります。
「短い毛が出てくるからダメ」「余計膨らむからダメ」「伸びてきたら苦労するからダメ」といった言葉なのですが、そんな当たり前の事を得意げに言われても…と思いませんか?
それを何とかするのがプロだろと言いたくなりますよね。
要するに、梳いたらダメという美容師は毛量調節や質感調節が苦手なだけなのです。
これを裏付ける証拠と言っては何ですが、以前Youtubeで「絶対梳いたらダメ」みたいなタイトルの動画をみつけました。
その動画では女性美容師が「梳くと短い毛が出てきて大変です」と言いながら、梳きバサミを使って実演していたのですが、その梳き方がど素人レベルに下手くそだったのには笑えました。
慣れない手つきでガチャガチャとハサミを動かし、表面もバツバツと梳いていましたが、そんな下手くそに梳けばそりゃあ短い毛も出てくるでしょう(苦笑)
※更に動画では中間あたりから毛先に向かってバツバツ梳いていたのですが、それだと毛先がスカスカになってしまいます。 当然そんな梳き方ではお客様に満足してもらえるはずありません。
まあ、自分の下手くそっぷりをごまかすために動画で梳く事を否定しているのでしょうが、コチラの記事でも書いた通りYoutubeやインスタ等のSNSを頑張っている美容師は下手くそが多いので、いつまで経ってもお客様が定着せず、SNSで集客し続けなければいけないのです。
もしかして否定的なコメントは本人が削除してるのかな?と思い、試しに私とスタッフで辛口コメントしてみたら見事に数分で削除されました。(自動で削除されるようなNGワードは一切使っておりません)
実際コメント欄を見て欲しいのですが、否定的なコメントは殆ど無く、気持ち悪いくらいに肯定的なコメントばかりです。(可哀そうだからチャンネル名は伏せておきます)
つまり彼女は常にコメントをチェックしているのでしょう。
そんな暇があるのなら梳きバサミの練習すればいいのにね。
毛量調節や質感調節にも限界があります。
さて、先ほど毛量調節や質感調節を行えば、あなたが出来るヘアスタイルの幅は広がると説明しましたが、残念ながらカットだけではどうにもならない場合があります。
そんな時は縮毛矯正をかければ解決する時もあります。
全体に縮毛矯正をかけると不自然に真っ直ぐになるので嫌という方は、表面はかけないで、「ハチの内側だけ」とか「襟足だけ」みたいに、部分的にかければ自然にボリュームを抑えられたりしますし、あるいは全体的に柔らかくかけるのも手ですね。
本当に多毛の方は目一杯縮毛矯正をかけて梳くというのも考え方の一つですが、それだと不自然な真っ直ぐ感が出てしまうのは否めません。
だからといって多毛のままでいいのかどうかは悩みどころなので、お客様と美容師がじっくり話し合って決めていけばいいのです。
間違っても美容師側が勝手にが梳いてはダメと決めつけてしまう理由などありません。
お客様に協力してもらって出来るスタイルもあります
時にはお客様に協力してもらえるのならば梳くことが可能なケースもあります。
協力というのは自宅での手入れ(アイロン、コテ、オイル等の整髪料)をしてもらうという事ですが、最近はお客様のスキルが上がってきましたので、このケースは以前より増えてきました。
正直これは、お客様の腕前によるところが大きいのですが、Youtubeなどを見れば多くの情報が得られる時代ですので、今まで梳くことを諦めてきた方もこれから挑戦してみてはいかがでしょうか?
勿論、これらは事前にしっかりとカウンセリングで話し合って決めないと大変なことになります。
腕に自信のないお客様に何の説明もなく梳いたスタイルを施術をして、帰り際ギリギリになってサラっと「自宅でちゃんとセットして下さいね」と言うだけでは、お客様は困ってしまいます。
逆に、腕に自信があるお客様に対して梳くことを全否定する必要はありません。
カウンセリングでくどい程手入れ方法を伝える
美容師側としては、お客様に協力してもらう事とセットで梳くスタイルを提案したつもりでも、お客さまが家に帰ったらその事を忘れてしまい、上手くセットできないと不満を抱くことが考えられます。
これは梳くことが問題なのではなく、カウンセリングがまずかったという事になります。
なので、私が自宅での手入れとセットで梳くスタイルを提案する時は、くどい程に手入れ方法を伝えます。
何故くどい程に伝えるのかと言いますと、お客様は美容師の言う事を意外と忘れてしまうからです。
カルテの存在もお伝えして忘れないようにしてもらう
以前、確かに手入れ方法をお伝えしたのに、次回来店された時に「えー?聞いてないわよ」とか「覚えてないわねー」という事が結構ありました。
なのでウチでは、ご自宅での手入れとセットで梳いた時は、くどい程に説明して、「今日お伝えした事はカルテに記録しますからね」と言いながら、目の前てカルテにその内容を記入していきます。
こうする事により、お客様が「聞いてない」とおっしゃる事が随分減りましたし、ここまでして手入れが出来なかったのだから私には梳くスタイルは向いてないのだと納得するようになります。
そして次は梳かないスタイルにしようかなと思いながら再来店していただけます。
察しの良い方はお気づきだと思いますが、梳かない事を一方的に押し付ける美容師の場合は再来店してもらえません。
だからいつまで経ってもSNSなどで集客しなければならないのです。
でも、驚くことに、ある美容師はそれでいいのだという戯言を言っていたので、その辺りについては、「その2」の記事で解説していきます。
思い切って美容室を変えてみるというのも手です
「こんな感じにして下さい」と言って軽いイメージの画像を美容師に見せると「毛量が違うので無理です」と言われ、結局いつもの重たーいスタイルで帰されていませんか?
あなたがその重いスタイルに納得しているのならば何も問題はありません。
でも、素直になっていいんです。
もっと軽くしたいと思っているのならば、それを解決してくれる美容師さんはたくさんいますので、他の美容室に行く事も考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
最後にまとめさせていただきますが、難しく考えることは無く、梳くか梳かないかは美容師が一方的に押し付けるものではなく、お客様としっかり話し合いながら決めるべきという事ですね。
「髪をすいたらダメ」と言う美容師は下手くそです【その2】はコチラ!