ネガティブキャンペーンのせいで混乱する情報

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ネガティブキャンペーン

ネガティブキャンペーンというのは色々な業界でおこなわれていますが、シャンプーを例にあげて説明しますと、自社のシャンプーを売りたいがために他社のシャンプーの欠点などをCMで流すという宣伝方法です。

この方法が悪いとは言いませんが、情報をかき回してしまうことは確かです。

何故なら、それまで良しとされていたことを完全に否定するかのような事を言ったと思えば、次の商品では、またその意見を否定したりするので、何を信じればよいのか分からなくなってしまうからです。

目次

ネガティブキャンペーンの歴史

では今から、そのネガティブキャンペーンの歴史をザックリとご紹介していきます。

弱酸性シャンプーの登場

昔は石鹸で髪を洗っていました。

石鹸のpHはアルカリ性なのですが、汚れというのはアルカリ性で落ちやすい性質を持っていますので、アルカリ性である石鹸は理にかなった洗浄成分といえます。

しかし、ここで弱酸性シャンプーが登場します。

その時のネガティブキャンペーンは「肌は弱酸性なので、アルカリ性の石鹸を使うのは肌に良くありません。だから肌に優しい弱酸性シャンプーを使いましょう!」みたいな感じでした。

当時の人達はこの言葉にのせられましたし、各メーカーもこぞって弱酸性シャンプーを販売しました。

しかし先程もお伝えしたように、汚れと言うのはアルカリ性で落ち易く、弱酸性では落ちにくい性質を持っています。

ではどうしたのかと言いますと、洗浄力の強い界面活性剤を配合したのです。

当時は頭皮をしっかり洗って清潔にしようという風潮が強かったので、洗浄力の強い界面活性剤は当たり前のように世間に受け入れられました。

シリコン入りシャンプーの登場

1980年代頃にソバージュヘアが流行して、髪の毛が傷んだ女性が増加していました。

そこで、それまでトリートメントに配合していたシリコンを配合してサラサラに仕上がるシャンプーが開発され、それが大ヒットしました。

※ご存知の方も多いと思いますが、後にシリコンがネガティブキャンペーンの対象とされ、2010年代にノンシリコンシャンプーが大ヒットすることになります。

アミノ酸系シャンプーの登場

それまでは洗浄力の強い界面活性剤として石油系界面活性剤や高級アルコール系界面活性剤が主流でしたが、今度はそれらがネガティブキャンペーンのターゲットにされました。

洗浄力の強い界面活性剤による頭皮などのトラブルが増えてきたという背景もあり、1990年代に洗浄力の弱いアミノ酸系界面活性剤を使用したシャンプーが登場して、2017年現在も主流になっています。

この「洗浄力の弱い」という部分に注目して欲しいのですが、世間ではアミノ酸系界面活性剤を使用したシャンプーのことを「刺激が少ない」と表現しています。

やはり「洗浄力が弱い」よりも「刺激が少ない」の方が聞こえが良いからでしょう。

また、アミノ酸系界面活性剤の特徴として、やはり界面活性剤なので水と馴染みやすく、そしてこれは私的にはデメリットとしか思えないのですが残留しやすい性質を持っています。

この性質を「シットリした仕上がり」と表現したのを見て「物は言いよう」だなと思いました^^

 

情報を整理しましょう。

このようにネガティブキャンペーンが繰り広げられたおかげで、それまで信じていた情報が否定され、専門家でない人達の頭の中はパニック状態に陥りました。

これは科学の進歩とも言えるので、過去の情報が更新されることは、むしろ良いことだと思います。

ただ、出来ることなら新しい知識や情報と一緒に商品も変化していることを正直に伝えてくれればよいと思うのですが、やはりメーカーとしては過去の自社製品を否定してしまう事になりかねません。

ですので、正直に伝えるよりもCMなどの派手な演出で過去の情報を打ち消す戦略をとっているのではないかと思います。

ということで、今後もネガティブキャンペーンは続いていくでしょうから、皆さんは出来るだけ振り回されることなく、冷静に情報を処理するように心がけましょう!

橋本純一

-美容のうんちく・雑学
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